2018.06.10

人手不足とAI

最近企業様から「人手不足で募集をしても人が来ない」という声をよく聞く。
現在、総務省によると4月時点の完全失業率は2.5%と超低水準となっている。完全失業率とは就業が可能で,かつ仕事を探している者および仕事があればすぐ就ける状態の者の人数を労働力人口でわったものだ。つまり失業状態で職探しをしている人は、働ける人の2.5%しかいないということになる。この数字は現在日本が、失業者がいないほぼ完全雇用と呼べる状態である事を示している。従って失業者が職探しをするハローワークに募集をかけても応募がないのは当然のこととなる。そして、日本の労働力人口はこれからも減少していく為、今後も労働力確保は厳しい状況が続くだろう。

そこで解決策となると言われているIT化、機械化、AIについて考えてみる。最近では「将来AIが人間の仕事を奪い、消滅してしまう職業は何か!」という悲観的な考え方も少なくないが、AIやIT化が従業員から仕事を奪っても世間に必要なサービスであれば会社自体は残っていく。例えば介護業界で考えると将来AIやロボットに置き換えられるのは、介護士の主な仕事である被介護者の移動や運送等である。そして介護士に残る仕事は被介護者との会話や、歌を唄う等のコミュニケーションだけとなる。介護士の業務自体は減り、求められる能力は変わるが、介護というサービス自体は世の中に必要なため、介護事業所も残っていくだろう。その他の業種についても基本的に人間にしかできない事や、人間がやった方がAIやロボットの開発費用よりも安いような業務は人間が行い、必要なサービスを提供する企業自体は残っていくだろう。

では現在AIはどこまで進んでいるのか。ネット通販サイトアマゾンは店から出る時に電子マネーで自動決済をする無人スーパーの実験を行っている。東京ではUberという自動配車システムがタクシーの交換手の役割を果たし、スマートフォンアプリを通じてハイヤーを手配する事ができる。着実に実用化されていき、10年後世の中は全く違う世界になっているだろう。しかし実際に中小企業の全ての業種で今すぐにAIやロッボットを取り入れ、人手不足を解消できるかといえば難しい。人手不足に対応するため今取り組むべきはITによる業務効率化になるだろう。

しかしもっと簡単な方法がる。それは無駄を切り捨てることや止める事。今まで必要だと思っていた業務や事業を切り捨てる、サービス業であれば営業時間を短縮したり定休日を設ける。貴重な人材を効率よく使い利益を上げているかを考える良い機会である。切り捨てるにあたり社内外から反発ももちろんあるだろうが、そこは決断するしかない。

今から無駄なものは切り捨て新時代への準備をしましょう