2022.06.10

何もかも値上げ

 随分と前から「経営者コラム」でも書いてきましたが、何もかもが値上げされる。この物価高騰はどこまで進むのか?いつ頃落ち着くのでしょうか?という質問を受けることが多い。回答は「インフレーションは弾けると終わります」と答えています。

 まず現実を直視する必要があります。先月5月4日FRB(アメリカ連邦準備理事会)は、米国金利を0.5%引上げました。そうすると何が起こったのか?円は一気に131円台を付け円安となりました。賃金・年金が上がらない日本国民は安い物への購買欲で、同程度の商材なら安い物選びする。需給ギャップが21兆円存在し供給過多となっている。従って企業はなかなか値上げできないで苦しんでいる。処が、輸入物価が4月時点で44.6%上昇し今後も上昇傾向にある。自給率の低い日本は原油・原材料・食料等輸入に頼っているので、原材料調達コストは引き上がっており、販売価格に転嫁しないと赤字の垂れ流しとなり詰まるところ倒産してしまう。経済評論家の中には円安により調達コストが上がっても輸出産業はその為替利益も重なることから転嫁と金融利益が同時に得られるので円安が良いという人もいる。しかし、私達企業は大企業ではなく中小零細企業であり日本の90%の労働力者数と企業数を占めその大半は、原材料等海外調達で国内消費である。また居住している国民もしかりです。とすると、円安物価高が中小企業及び国民に及ぼす影響は善か悪かと二者選択すると、悪としか判断しようがない。アメリカは6月15日・7月27日・9月21日・11月21日・12月14日にFOMC会合を予定しており更なる金利引上げ(毎0.5%程度)が検討される。そんな中、日本は黒田日銀総裁任期満了(来年3月)まで、金利の引上げの計画はなく(引上げられない)上記の会合を境に円安・円高を繰り返しヘッジファンドは大儲けをする。5月4日の米金利引き上げにより、株式・債券市場から38兆ドル(日本円換算約5000兆円‐日本GDPの10年分)が消えた(現預金市場に還流した)。投資家は利益確定し(高い株価・債券額で売って利益確保)たが、日本の投資会社(金融機関・生命保険会社・年金機構等)は損失拡大している。とすると、銀行・信金・生命保険会社等の統廃合、年金の引き下げは更に加速するとみてよい。コロナ等による金融債務は76兆円の過剰債務(不良債権)を金融業界は抱え業界が吹飛んでしまう額となっている。急激なインフレ(バブル)は必ず弾けます。中小零細企業や国民の対処はいかにすればよいのか?冷静になって考えてみていただきたいと思います。

有限会社レイバー経営者コラム「良い話・儲け話」
有限会社レイバー経営者コラム「何もかも値上げ」