2023.04.10

世界で銀行破綻が始まった

 3月8日シルバーゲイトキャピタル銀行(米)破綻1.5兆円資産額、10日シリコンバレー銀行(米)破綻28兆円資産額、12日シグネチャー銀行(米)破綻15兆円資産額、ファースト・リバブリック銀行(米)預金流失株価75%下落(4兆円支援)、クレディスイス銀行(スイス)経営危機78兆円資産額とアメリカから欧州へと金融機関の破綻が相次いでいる。日本の5大銀行で外債含み損1兆7500億円(22年3月末時点)、地方銀行30行で1兆4000億円の外債含み損(22年3月時点)、日本銀行は国債含み損22年9月末8749億円であったのに12月末で9兆5081億円と膨れ上がった。10年物国債の金利枠0.25から0.5へと許容枠を広げた途端に発生。又年金積立管理運用独立法人は22年10月~12月で1兆8530億円の赤字となった。併せて東京海上日動あんしん生命保険△1106億円三井住友海上あいおい生命保険△1061億円T&Dファイナンシャル生命保険△15億円22年12月時点で実質債務超過になった。主要生保12社22年末外債含み損1兆円弱、住友生命22年4月~12月期決算で有価証券売却損2290億円(前年同月期の26倍)、日本生命同じく6616億円(前年同月期10倍)、かんぽ生命1435億円(前年同月期8倍)の損失を計上している。以上の記載はすべて日経新聞等で掲載された内容である。更に3月30日日経新聞には長期金利2%で含み損が50兆円になると日銀の内田副総裁が衆院財務金融委員会で日銀の保有国債に生じる含み損を示した。世界債務は22年7月~9月時点で約4京円で、世界GDPの343%となっている。因みにリーマンショック時の世界債務は約1京5509兆円。時点比較で約2.58倍となっている。(国際金融機関協会集計)これらは新型コロナウイルス対策として日本を含む中央銀行が超金融緩和により市場にお金をバラまき、そのお金が国債や公社債投資へ流れ込んだ。世界の金融機関は自己資本を押し上げるAT1債の発行を行ってきたが銀行財務が悪化した場合には保有者が損失を引き受ける債権であるがために、銀行の信用不安が広がると一気に資金は流出することとなる。市場に多額のお金が流れ世界でインフレ発生し抑制のために世界の中央銀行は金利を引き上げた。当然債券市場では評価損が発生する。金融市場での逆回転が発生し始めた。金融バブル崩壊といえるかもしれない。

 日本では日銀が金利上昇を抑えている。しかし、日本も例外なくインフレに見舞われている。円の価値が急激に低下しているのである。0.25を0.5に10年物国債の許容値としただけで一気に含み損となった。このことからも世界の銀行の破綻は対岸の火事ではないということが分かっていただけると考えます。

 金利の上昇はインフレ抑制のカギとなり、日本国債所有者の含み損となるとすれば政府日銀はすでに選択肢が極めて少ない。

 備えだけは怠らず締まっていきましょう。

有限会社レイバー経営者コラム「不景気」
有限会社レイバー経営者コラム「世界で銀行破綻が始まった」