2024.05.10

通貨危機の局面があるかも?

 4月29日円ドルは160円台まで円安ドル高が進んだ。ところが5月2日には一気に151円後半の円高へと進んだ。ゴールデンウイークで海外旅行者はビックリしただろう。一気に8円近くが変動するとドル円交換レートは異常値とも感じられるだろう。5月8日の日経新聞によると2日間で約8兆円もの政府・日銀による為替介入があったとみられているとの記事が掲載された。5月8日午後0時ドル円は155円を付けている。為替介入しても効果は限定的で外貨準備高を費消してしまうデメリットの方が大きいのではないか?日本の財政が危機的状況にあるのは何度と無く述べてきましたが、国及び地方自治体の借金は天文学的数値にまで膨れ上がり、借金返済の原動力になる労働力人口は激減し高齢者は激増して、返済原資を生み出すことが極めて困難な状況となってしまった。お金の流れはお金が好むところに流れ込みお金の増幅が出来なくなった所から波が引くように引き揚げられていく。通貨危機である。通貨危機とは通常、ある国や地域の通貨が急激に価値を失い、通貨の価値が急落する状況を指します。通貨危機は、経済の不安定性、政治的混乱、外部要因などの要因によって引き起こされることがありますが、主な特徴として4点ばかりあげられる。❶通貨価値の急激な低下: 通貨の価値が急速に下落し、インフレーションが急上昇することがあります。❷外国為替市場での不安定性: 通貨の価値が不安定で、外国為替市場で大きな変動が起こります。❸資本の大量流出: 投資家や資金が安全な資産や通貨への移動を求めて大量に流出することがあります。❹金融システムの崩壊のリスク: 通貨危機が深刻化すると、金融システム全体に深刻な影響を与える可能性があります。

 主な原因としては①経済政策の失敗: 政府や中央銀行の経済政策の失敗が通貨危機を引き起こすことがあります。例えば、不適切な金融政策や財政政策、経済改革の遅れなどが考えられます。②外部ショック: 世界的な経済や金融市場の変動、原油価格の急激な変化、国際的な金融危機などが、通貨危機を引き起こす要因となることがあります。③政治的不安定性: 政治的な混乱や不安定性が通貨危機を引き起こすことがあります。政治的な決定の不確実性や対立が経済への信頼を低下させる可能性があります。

 過去に発生した通貨危機はアジア通貨危機(1997年)タイを中心にアジア各国で通貨危機が発生しました。ロシア通貨危機(1998年)ロシアで通貨危機が発生しました。これは、石油価格の急激な下落やロシア政府の財政赤字などが背景にありました。アルゼンチン通貨危機(2001年)アルゼンチンで通貨危機が発生しました。これは、アルゼンチン政府の財政不安や債務不履行、ペソのペッグ制度の破綻などが要因となりました。

 いま日本では何が起きているのでしょうか?GDPも4位に転落し国力は低下しているにもかかわらず、政治家は私利私欲にまみれ日本国のあるべき姿を議論せず借金は雪だるまのように大きくなり誰がいつこの負担の尻拭いをするのであろうか?

 何が起きても不思議ではない昨今、自分で考えて行動することが求められるのではないか。

有限会社レイバー経営者コラム「不景気」
有限会社レイバー経営者コラム「通貨危機の局面があるかも?」