2025.03.07

日本国債の格付け

 2010年11月5日、日経新聞にS&Pがリポートと題して、日本国債は(ダブルA)2025年までに投機的水準とされる「ダブルB」格以下まで格下げされる可能性があると掲載された。あれから15年経過し現在日本国債は「シングルA」です。2025年1月26日、日経新聞に「国債にじむ格下げリスク」と題して、アメリカ大手格付け会社ムーディーズは「現状の日本政府の財務状況に対する我々の弱い評価がより裏付けされることになるだろう」「イギリスでは2022年とラス政権が財源の裏付けがないまま大型減税を公表し英国債が急落する(トラスショック)が発生した。日本の財政状況は英国より厳しく「日本版トラスショック」は絵空事ではない。」と掲載された。2月8日、日経新聞にIMF(国際通貨基金)は対日審査声明を発表した。IMF専務理事ギータ・ゴピナート氏はガソリンや電気・都市ガス向けの補助金は「(支援の)的が絞られておらず廃止すべきだ」と主張した。又財政悪化に懸念を示し103万円の壁の引上げが議論され、財政赤字が拡大する大きなリスクがあると指摘した」2月12日教育無償化・年収103万円の壁で予算協議、財政再建後回しと日経に情報が伝えられた。

 さて、この一連の報道をどのように読み解くか?とっても重要なことだと考えています。今から15年前、格付け会社のS&Pが予見していることを通告していた。そして2025年、ムーディーズが通告しているとも思われる情報を発信した。間髪入れずにIMFは対日声明を発表した。しかし日本の国会では財政再建なる様相は全くない。しかし、一部にガソリン代の補助金は無くなったが、この声明があるからなのか?格付け会社やIMFは2025年度の予算審議を確りと見守り、日本の財政再建の取組みが無い又は財政が更に悪化した場合には間髪入れずに「日本国債を格下げする」ことになりかねないと考えています。格下げされたらどうなるの?格付けなんかアメリカの会社が勝手にやっている事だから実態とは関係ないとか考えておられる人もあるだろう。先進7か国(G7)ドイツ・カナダ(トリプルA)・アメリカ(ダブルA+)・イギリス(ダブルA)・フランス(ダブルA―)・日本(シングルA)・イタリア(トリプルB)の順番でありますが、イタリアはGDP比に対する借金は139.2%です。売上の1.39倍の借金をしています。一方日本はGDP比254.6%の借金です。いかに悪いか理解できると思います。では格下げが起こると日本の企業は日本政府の格付けより上に位置することは基本的にはありません。とすれば資金供給に過大な圧力がかかることを意味するのです。即ち円安です。資金調達が苦しくなりインフレは加速する事になります。

 益々強烈なインフレが忍び寄っていることを私たちは強く認識しなければなりません。

 過去につぶやいてきましたが、食料等の備蓄を怠わらないよう準備しましょう。

有限会社レイバー経営者コラム「不景気」
有限会社レイバー経営者コラム「日本国債の格付け」