2018.11.10

就活ルールについて

政府が先月、2021年春入社の学生を対象にした就活ルールを定めました。
内容はこれまでのルールを踏襲するかたちで、会社説明会の解禁を3回生時の3月、面接の解禁を4年生時の6月とするものです。

就活ルールはこれまで経団連主導で運用されてきました。採用活動を6月開始と足並みを揃えることによりに、企業側が新卒一括採用を行いやすいルールとなっていました。しかし、このルールに拘束力はなく、経団連に加入していない外資系企業が優秀な人材を確保するために、採用活動を前倒し、実際は形骸化していました。そのため、経団連が定めた就活ルールを廃止し、かわりに政府が主導で新しい就活ルールを作ることとなったわけです。

政府は今回の決定について、急なルール変更により、学生が混乱することに配慮したとし、新ルールに関してはこれから議論を重ねるとしていますが、新ルールはこれまでの新卒一括採用を前提としたものではなく、通年採用を前提としたルールを構築していくべきではないかと思います。

理由は日本がIT人材の輩出、獲得において世界に遅れをとっているからです。
その証拠に世界の時価総額TOP10企業は海外のIT企業が占めています。通年採用であれば、就職活動を自分の研究が落ち着いてから行う事ができます。他にも留学をして語学を学び、自分の専門分野の学位を海外で取得する等して、日本で就職活動をすることが可能になります。

このように、学生は学業に集中することにより、現在のグローバル化、専門化している経済に適合する人材を輩出しやすくなるのではないかと思います。新卒も中途採用も試験に受けにきた順番で選考し採用する通年採用は企業の採用部門にとっては手間ですが、変化する経済に日本が遅れを取り続けない為には必要だと思います。そのためには新しい就活ルールは政府主導ではなく、就活が学業に支障がでないよう学校主導で行い、それを政府や企業が後押しする形ですすめた方が良いのではないかと思います。