在日本政府は働き方改革を推進しています。これまでも何度か述べてきましたが、その大きな目的は、人口減少社会で経済成長を成し遂げるため、新しい労働力(女性・高齢者・外国人)を確保することです。
しかし、日本は、この「働き方改革」が一段落した後、すべきことがあります。それは人材育成と生産性を向上させて「Society5.0」を目指すことです。「Society5.0」とは全ての人とモノがつながり、様々な知識や情報が共有され、今までにない新たな価値を生み出すことで、これらの課題や困難を克服する社会のことを言います。
例えば現在、必要な情報はあるが、活用能力が低いため、十分に生かし切れていない。これを人工知能(AI)により、必要な情報が必要な時に提供されるようにする。あるいは年齢や障害による課題をロボットや自動走行車などの技術で克服し、一人ひとりが快適に生活し、活躍できるように進んでいくことです。しかし日本はすでにアメリカや中国に最先端技術分野で後れを取っているのが現状です。この分野で先進2カ国は熾烈な競争をしており、現在本格化している米中貿易戦争も、これらの最先端技術の争奪戦が根底にあると思われます。
日本がこの「Society5.0」を実現するには厚生労働省や経済産業省、大学、民間研究機関、企業が連携し人材育成と技術開発を進めていく必要があります。働き方改革の大きな山をこえた後は、最先端技術分野での人材育成に勢力を集中させていく必要があります。
日本はこの現実に危機感をもち、各分野の技術を活用したものづくりを一丸となって促進していかなければなりません。そのためには現在政府がすすめていこうとしている、生涯を通じたリカレント教育の拡充や高度プロフェッショナル制度をうまく運用した働き方の実践が不可欠です。
世界に後れをとるという結果にならないためにも、働き方改革を期に現状をかえていかなければなりません。