昭和のヒーロー「仮面ライダー」作者の石ノ森章太郎さんは、時代と共に変遷する悪をその作品に込めていた事を知った。昭和の仮面ライダーから平成・令和と続き今尚ヒーローものとして広く視聴者を魅了している。まず①正義(ヒーロー)対悪人は「特定できる暴力団や破壊行為者」と戦い解決していく②正義対特定できない悪人となった。つまり「9・11やテロなど地下鉄サリン事件などの悪人」である。③正義対自然破壊の環境を捉えて「温暖化など経済優先の破壊行動を悪と捉えた」それを解決していく仮面ライダーの登場となった。④正義対得体のしれないウイルスなどを対象として「目に見えない病原菌に対するもの」を悪ととらえて正義のヒーローが戦った。そして今は正義対人の心の中にある正義と悪に注目して「AI時代の情報の氾濫と誹謗中傷の書き込み」等を悪としてその解決をする仮面ライダーの戦いが描かれている。ここまで深く考えられて作家の先生が作っておられたことに驚いた。時代と共に悪の形は変わり「人が物で人を殺す時代」「見えない集団が細菌兵器などにより人を殺す時代」「経済優先の副産物の環境破壊により人を殺す時代」「人の心の奥底にある正義と悪の葛藤が生み出す歪みが情報通信網を使って人を殺す時代」と変わってきていることが理解できる。
令和4年4月からハラスメント防止法が中小企業にも適応される。最近の人達はメンタルが弱いとよく耳にする。確かに強いとは言えないのかもしれない。それは厳しい生活環境下で育ってないからだという根拠であろう。身体的困窮の食えない貧しさを創造することであろう。そんな生活から這い上がってきた者はメンタルが強い。だから団塊の世代以前の人達はメンタルが強いと思いがちになる。モノに不自由することなく育った世代から有り余ったモノと情報の中で生まれ育った世代が共生している現代である。貧困な時代は情報も貧困であった情報をお金で買うなんてことは想像もつかなかっただろう。ありとあらゆる情報が世界を駆け巡りスマホというアイテムを通して伝達される現代人と比較するとメンタルの強弱に疑問を覚える。例えば、一人の人が発した誹謗中傷ワードに「いいね」をつけて一人の人を無責任な多数の人が攻撃する現代にメンタルは平常心で居られるだろうか。
毎日の巨大な情報には真実も虚偽も含まれている。その事を脳みそで咀嚼しなければならない。ITの伝達スピードに人間の脳はフリーズしてしまう。だからこそ今人間の一人ひとりが人としてどうあるべきかを考えなければならないのではないか。
前述しましたが、現代において「悪は人の心の中にあり正義と悪の葛藤で歪んだ事象が情報伝達機器を通じて人を殺す。」人の考え方が「今だけ」「金だけ」「自分だけ」と身勝手な利己主義になってはないだろうか。
商売も「三方よし」だからこそ継続して繫栄する。ひと時の考える時間もあってもよかろうか。