2023.11.10

円安が止まらない

 10月31日、日銀の政策決定会合が開かれ金利操作は1%を上限の「めど」に変更した。23年7月に上限の「めど」を0.5%に変え3か月足らずで「めど」を変更する事になった。為替は一気に151円台を付け円安に拍車がかかった。日銀は円買いの為替介入を即座に実施し150円台に落ち着かせている。世界経済は物価高インフレ基調にある。その抑制の為に金利を引上げてインフレ高騰を抑え込もうとしている。しかし日本は「物価高騰していないと云い続け」賃金上昇も無いため金利の引上げは行わない論法の日銀であったが、諸外国の物価は高騰し日本の輸入物価は高騰、其処に円安のダブルパンチで輸入企業は大ダメージをうける。当然中小企業の商材には必然的に外国商材が使われていることから原材料は高騰し利益は縮減赤字経営を余儀なくされてきた。政府の経済対策はお金をばら撒く単純政策(減税・給付)だけで効果は極めて無い。国民一人ひとりにバラまくのは選挙の1票政策としか理解できない。何故抜本的な改革を行おうとしないのか?日本人は激変と改革を好まないが、押し寄せてしまった現実に対しては止むを得ず対応する。しかし、経験のない経済的危機に対応できるのだろうか。既に住宅新築件数は激減し、既存住宅ローン返済者は金利上昇のリスクを孕み変動金利の低利を活用した者たちが固定金利に切り替えるなどの行動がある。日銀は長プラ連動の10年物国債金利(固定金利)の操作を行いながら短期金利はマイナスに抑えている。しかし固定金利市場での引上げが短期金利に影響ないはずがない。いずれ早いうちに金利が上昇することは推定できる。変動金利の上昇は住宅ローン利用者を直撃し、可処分所得を低減させる。一方で金利上昇は国債の評価を引き下げ含み損は激増し、日銀・都銀・地銀・信用金庫・生命保険会社・GPIF(年金機構)の財務内容を急激に悪化させる。言い換えれば日本国債の引き受け手が窮地に陥り、日本政府は国債の発行に苦慮する事になる。即ち国家予算が立てられなくなる。国民にとって極めて不幸な現実が既に訪れようとしているのではないか。

 金融市場で諸外国の様々なファンドに対応してきた日銀ではあるが、円買い介入も弾(お金)が無くては打てぬ。既に日銀のパワーは無くなっている。

 今月11月17日迄アメリカ政府予算の未成立如何で金利の急激な変動があるやもしれません。その影響で日本の金利に激震が起こることも想定されます。

 自分たちの身は自分で守るのが1番目です。急激なインフレに備えていきましょう。

有限会社レイバー経営者コラム「不景気」
有限会社レイバー経営者コラム「円安が止まらない」